| 吉 田: |
プライバシーという言葉は、日本語で置き換えられませんよね。あまり日本人的な感覚ではないでしょう。プライバシーが住宅の中で必要なのは夫婦の寝室だけでしょう。
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| 小井土: |
私も実際に海外に行って、いろいろな家を見ましたけど、日本以外の国は、先生が提唱するような家をつくっているんですよね。プライバシーを保つ家なんてまずない。アメリカなんて、玄関を開けたら目の前に広いリビングルームがあって、それが家族空間でしょう。個人の部屋は、ぜんぶそのリビングにつながっています。
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| 吉 田: |
日本のように廊下がある家は外国には、ほとんどありません。寝室まわりに多少の廊下はありますがね。日本は、きちんと諸外国の間取りや家づくりを真似したわけではなく、断片的に真似したにすぎないのです。 |
| 小井土: |
最初の段階では、政策的な意図があったかもしれませんが、仮にそうだとすれば、ものの見事にその策略にはまってしまいましたね。60年経って、嘆くべき国になってしまった。最近、親子間の事件などが起きていますが、ああいう子どもが育った家を検証してみる必要があるかもしれませんね。 |
| 吉 田: |
それを調べてみるのは、おもしろいかもしれません。私は、子どもが小さいうちは家の中でのプライバシーなんていらないと思っています。成長するにつれてプライバシーがほしくなってきますけど、それでも完全なプライバシーは与えなくていい。そうすると、子どもは自立をしたくなるのです。これは必要なことですね。最近は自立したくならない子どもが多くて困ります。
男女の違いもありますね。私は、男の子は自立して家を出るべきで、女の子はいつまでも家にいてもいいと思います。子どもたちが自分の家に長く住む場合、男の子ではなく女の子が相続して、連れ合いと一緒に住み続けた方がいいような気がします。現実はそうなりつつありますし、実際そういう家庭の方が平和ですよ。朝日新聞に連載している「ののちゃん」という漫画もそうですね。あの、できの悪いお母さんは、人の悪いおばあちゃんの娘でしょ。この漫画はなかなかいいとこついていますよ。あれが嫁と姑だったら、ああはいきません。漫画家は鋭い視点を持っているなぁ、と感心します。
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| 小井土: |
たしかに最近は、娘が結婚して自分の両親と一緒に暮らす家が、増えていますね。 |
| 吉 田: |
戦後で日本が良くなったのは、これくらいじゃないですか。戦前は、女性は結婚をしたら家を出るというのが常識でしたからね。
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