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人間を中心におき、環境までトータルでコーディネートする建築

群馬県の木材を利用しながらも、固執はせず国内の木材を適材適所で使っていきたい。
吉 田: 私は、地場産の木にこだわりすぎる必要はないと思います。というのも、地場産の木材だけで、家は建ちませんからね。木がない地域もあるし。地場産木材使用の推進運動は、結局通産省が言い出したことですから。
小井土: 地場の木というより、国内産の木材で家を建てることが望ましいということですよね。最近では輸入材の輸送だけでも、相当量のCO2を排出しますから、地球温暖化対策としても、なるべく近場の木材を使用することが求められています。地域に生えている木が地域の気候に一番合っているといわれますが、我々は群馬県で家を建設するからといって、群馬県産の木材だけで建てることは考えていません。ただ、群馬県は森林が多いので、できるかぎり近隣の木材を使用したいと思っています。
吉 田: 自然流通としてはそうなるでしょうね。
小井土: 先生のおっしゃる通り、群馬県にはいい柱になりうる檜がないので、群馬県産に固執すると檜の柱が使えなくなってしまいます。とはいえ、CO2排出削減するためにも輸入材で建築することは避けたいので、群馬に限らず国内産の木材を使うようにしています。


吉田先生の講義を聴いて、目からうろこが落ちました。
小井土: もう十数年前になりますが、以前参加していた建築グループでお会いしたのが、最初の出会いでしたね。そのグループの社長が吉田先生の本を読み、考え方に共感して、ぜひ私たちのグループの設計を見ていただけないかと、先生のところにお願いにいったことがはじまりだと聞いています。
先生の講義は、それまでに考えもしなかった発想ばかりで、私は目からうろこが落ちました。先生は、とても奥行きが深く、建築家の中では非常に珍しい方です。大工よりも木材の仕口をご存知ですし、構造を熟知されているのでボルトや金具を全く使わなくても、木の組み方の工夫だけで家を建てるなど、非常に柔軟な発想をされます。それに、とても研究熱心で海外の建築技術にも、とても詳しい。海外視察ツアーも何度も一緒に行きましたよね。韓国に日本の民家のルーツを見に行ったりもしました。先生は、いつも現地に行くと、その地に溶け込んじゃうんです。きっと、ジャングルでも、溶け込めるでしょう。まさに自然人です。他の建築家は、いかにも近代的で文明が開化したような建築物を建てることで評価されていますが、先生は違います。人間を中心において建築を考え、環境やすべてをトータルでコーディネートすることが必要だというのが、先生の発想です。そこに、非常に共感しています。我々のお師匠様です。木造住宅をつくるグループの中では、先生の考え方、広がり空間などは、だいぶ定着してきましたよね。
吉 田: 皆さんがそのようにつくっていますからね。以前、ハウスメーカーが、パンフレットに「広がり空間と書いてもいいですか?」と許可を求めてきたことがありましたよ。別に商標取っているわけでもないから、自由にお使いなさいといいましたけど。
小井土: ところで、我々が採用しているエアパス工法ついて、先生はどう評価されていますか?
吉 田: 先にも言いましたが、家にいちばんたいせつなことは通風ですから、あれはあれで意味があると思います。ただ、あのシステムで建てるとコストがかかりますね。絶対に必要なわけではないので、節約するには、それをやめてもいいと思います。施主さんが望むのであれば、それはいい選択だと思いますよ。


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